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包装の見直しは何から始める?現場で効く5つの着眼点と進め方

「包装のコストを下げろと言われたが、どこから手をつければいいのか分からない」

「包装工程の人手を減らしたい。とりあえず安いフィルムを探せばいいのだろうか」

包装の改善を任された実務担当者の方から、こうしたご相談をよくいただきます。

結論から申し上げると、材料選びから入ると打ち手が狭くなります。この記事では、材料を変える前に確認しておきたい5つの着眼点と、実務での進め方を解説します。社内での検討や、包装会社への相談前の整理にお使いください。

なぜ「材料選び」から入ると失敗しやすいのか

包装の改善というテーマを渡されたとき、多くの方がまず材料を探し始めます。もっと安いフィルムはないか、薄くできないか、と。自然な発想ですし、それで解決することもあります。

ただ、材料から入ると、二つの理由で行き詰まりやすくなります。

理由1:打ち手が一つしか出てこない

「フィルムを変える」という前提で考え始めると、比較対象はフィルムだけになります。厚みを薄くするか、グレードを下げるか、仕入先を変えるか。選択肢が三つ程度で止まります。

しかし実際には、包装の課題は工程の設計や作業手順、輸送の積み方など、材料の外側にあることが少なくありません。材料から入ると、その領域が最初から検討範囲に入らなくなります。

理由2:材料単価はどこかで下げ止まる

材料単価の交渉には限界があります。ある程度まで下げると、それ以上は品質を落とすしかありません。そして品質を落とせば、破損や作業性の悪化という形で別のコストが発生します。

材料単価だけを追いかけていると、数年で打ち手が尽きます。

この記事でお伝えしたいこと 材料を変えるのは、検討の最後で構いません。その前に確認しておくべきことが5つあります。

着眼点1:目的を一つに絞る

当たり前のようですが、ここが曖昧なまま進む案件は少なくありません。

4つの目的は、同時には追えない

包装の改善で語られる目的は、おおむね次の4つに分かれます。

  • コストを下げたい
  • 人手を減らしたい/生産性を上げたい
  • CO2排出量を減らしたい
  • 輸送中の破損を減らしたい

この4つは、同時に全部を追うことができません。どれかを優先すれば、どれかは現状維持になります。「全部よくしたい」という状態で相談すると、提案する側も焦点を絞れず、結果として当たり障りのない案しか出てきません。

事例:目的を「増産」に絞ったら、答えは機械化だった

工作用の粘土を製造されているメーカー様から、ご相談をいただいたことがあります。粘土を一定量ずつ計量し、切り離して袋に詰める工程を人手で行っておられました。

ご相談の内容は「販売量を増やしたいが、人を増やさずに生産性を上げたい」というものでした。目的が「人を増やさずに増産する」の一点に絞られていたのです。

そのため、私たちからのご提案も自然に決まりました。フィルムを安くする話ではなく、袋詰めの前工程を機械化するというご提案です。結果として、5人がかりだった工程が機械+1名で回るようになり、生産性は約2.5倍になりました。

この案件では、フィルムの話は一度も出ていません。目的が絞れていれば、打ち手は包装材の外にも広がります。

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着眼点2:変えられない制約を先に書き出す

目的の次に確認するのは、制約条件です。

確認しておきたい5つの制約

  • 包装機・充填機は変えられるのか、変えられないのか
  • ラインを止められる時間はどれくらいあるか
  • 作業手順を変えることに、現場の合意は取れるか
  • コストは上げてよいのか、据え置きか、下げなければならないのか
  • 社内の承認は誰が出すのか。いくらまでなら決裁できるのか

制約を先に出しておくと、提案の精度が一気に上がります。逆に、ここを曖昧にしたまま話を進めると、良さそうな案が出てきた後で「その設備投資は通らない」「そのラインは止められない」となり、振り出しに戻ります。

事例:制約があったから、提案が具体的になった

ある家電メーカー様の案件では、最初に「コストを大きく上げることはできない」「生産ラインは絶対に止められない」という二つの制約を確認しました。

この二つがあったからこそ、既製品を持ち込んで試していただくのではなく、お客様の包装機に合わせて原料配合から設計するという進め方になりました。時間はかかりましたが、ラインを止めることなく切り替えを完了しています。

制約は、提案を狭めるものではありません。提案を具体的にするものです。

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着眼点3:コストは「材料単価」ではなく「総額」で見る

包装コストを構成する6つの費目

包装にかかるコストは、材料費だけではありません。

  • 材料費
  • 包装作業にかかる人件費
  • 廃棄・ロスの費用
  • 保管スペースの費用
  • 輸送費(包装が変わると積載効率が変わります)
  • 破損による返品・再送のコスト

単価が下がっても、総額が上がることがある

材料単価を10%下げても、その材料が扱いにくくて包装作業の時間が20%増えれば、総額では悪化します。逆に、材料単価が同じでも作業が速くなれば、総額は下がります。

見直しに入る前に、現状の総額がいくらなのかを一度出しておくことをおすすめします。ここが分かっていないと、改善しても効果を社内に説明できません。

すべての費目を厳密に積み上げる必要はありません。材料費と人件費だけでも構いませんので、比較の土台をつくっておくことが大切です。

下の表は、6つの費目で3つの案を比べた試算例です。案Aは袋単価を10%下げていますが、作業時間が増えるため、年間の総額は約77万円増えています。

着眼点4:他の業界のやり方を探す

業界ごとの慣習が、見えない壁になっている

包装の工程には、業界ごとの慣習があります。食品業界では当たり前に使われている機械が、他の業界にはまったく入っていない、ということは珍しくありません。技術がないのではなく、知られていないだけです。

自分の業界の中を探している限り、外の事例は出てきません。展示会で見かけるのも、同じ業界向けの機械が中心になりがちです。

事例:和菓子の機械を、粘土の工程に転用した

先ほどの粘土の事例では、和菓子や饅頭の包装で実績のある食品業界の機械を転用しました。

粘土と和菓子は、まったく別の製品です。しかし工程として見ると、「一定量の柔らかい素材を、切り離して個包装する」という点で共通していました。食品業界では、この工程を機械で行うことが既に一般化しています。

ご担当者様からは「その発想はなかった」とおっしゃっていただきました。当然だと思います。教材業界の中を探していても、和菓子の機械には行き当たらないからです。

自社で探すのが難しい領域ですので、複数の業界と取引のある包装会社に「他の業界ではどうしていますか」と聞いてみるのが早道です。

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着眼点5:図面ではなく現場を見る

最後は、身も蓋もない話です。

包装の課題は、現場を見ないと分からないことがほとんどです。仕様書には書かれていない手作業が挟まっていたり、フィルムが機械を通るときに特定の箇所だけ引っかかっていたり、作業者の方が独自の工夫でカバーしていたり。

こうしたことは、図面や仕様書のやり取りだけでは出てきません。ご担当者様ご自身が「これは問題だ」と認識していないことも多いためです。長年その工程を回してこられた方ほど、不便が当たり前になっています。

包装会社にご相談される際は、可能であれば工程を見てもらってください。
写真や動画でも構いません。それだけで、提案の中身が良い方向に変わることがございます。

【実務向け】5つの着眼点を仕事に落とす3ステップ

ここまでの5つを、明日から実際に進める形にまとめます。

ステップ1:現状を1枚に書き出す

対象となる包装工程について、次の項目を書き出します。A4用紙1枚で構いません。

  • 何を、どのくらいの量、どういう形で包装しているか
  • 使っている資材と、その単価・年間使用量
  • 包装工程に何人が、1日どれくらいの時間関わっているか
  • 直近1年で起きたトラブル(破損、クレーム、ライン停止)

当社にて参考となるフォーマットを作成しておりますので、ぜひご覧ください。

現状整理シート

ステップ2:目的と制約を決めて、上司に確認する

着眼点1と2で挙げた項目を埋めます。特に「コストは上げてよいのか」「いくらまでなら決裁できるのか」は、この段階で確認しておいてください。

ここが曖昧なまま包装会社に相談すると、提案を受けてから社内で止まる、という事態になりがちです。

ステップ3:複数の業界を扱う包装会社に相談する

ステップ1と2で作った紙を持って、相談してください。目的と制約が明示された状態であれば、提案の具体度は大きく変わります。

相談先を選ぶ際は、自社と同じ業界の実績があるかどうかよりも、複数の業界と取引があるかどうかを見ていただくとよいと思います。着眼点4でお伝えしたとおり、答えは業界の外にあることが多いためです。

包装の見直しに関するよくある質問

Q. 何から相談すればよいか分からない状態でも大丈夫ですか

A. 問題ありません。むしろ「目的が絞れていない」という状態であることを、そのままお伝えいただくほうが早く進みます。目的を一緒に整理するところからお手伝いしています。

Q. 包装材を変えると、生産ラインを止める必要がありますか

A. 変更の内容によります。既存設備をそのまま使える置き換えであれば、テストを含めて3か月から半年程度で完了することが多くあります。一方、原料の配合から設計する場合は、評価の取得を含めて1年から2年かかることもあります。

Q. 環境対応を進めると、必ずコストは上がりますか

A. 必ずしもそうとは限りません。既存設備をそのまま使える再生材への置き換えであれば、コストを変えずに切り替えられた事例もあります。詳しくは「再生フィルムとは?」の記事もあわせてご覧ください。

Q. 現状のコストを正確に出すのが難しいのですが

A. 材料費と包装作業の人件費の2つだけでも構いません。厳密さよりも、比較の土台をつくることが目的です。

まとめ:材料を変えるのは、いちばん最後でよい

包装の見直しで結果を出すために、材料を変える前に確認しておきたいことは次の5つです。

  1. 目的を一つに絞る
  2. 変えられない制約を先に書き出す
  3. コストは材料単価ではなく総額で見る
  4. 他の業界のやり方を探す
  5. 図面ではなく現場を見る

順番も、この通りをおすすめします。1と2が決まれば、3以降は自然に進みます。

そして、この5つを踏まえたうえで最後に材料を検討すると、最初から材料を探し始めたときとは違う答えにたどり着くはずです。

包装フィルム・包装資材の課題解決なら「甲賀高分子株式会社 フィルムソリューションズ」へ

当社は50年以上にわたり、4,000社以上のお客様の包装課題を解決してきました。家電・食品・医薬・自動車・物流など、業界を問わずお取引をいただいています。だからこそ「他の業界ではこうしています」という選択肢をお出しできます。 「まず何から確認すればいいか分からない」という段階でのご相談もお受けしておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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